平成21年度 富山県(過去問題)


◆2次試験◆

時間:50分 字数制限:800字


[小]
「いじめは、いじめられる側にも問題がある」という考え方に対して、自分の考えおよびいじめを行った児童への指導で大切にしたいことを併せて述べよ。

[中高]
 生徒指導においては、根底に温かさをもちながらも、悪い行いに対しては絶対に許さないといった態度で接することが大切である。遅刻を頻繁に繰り返す生徒を例にとり、自分が担任としてどのような点に留意しながら指導を行うか、具体的に述べよ。なお、解答にあたっては以下の用語を使用すること。
「自己指導能力/共感的(な)理解/規範意識/信頼関係」

[特別支援]
 特別支援学校における交流および共同学習の意義と交流および交流学習を推進する上で留意すべきことについて、自分の考えを述べよ。

[養護教諭]
 次の事例を読んで、あとの問いに答えよ。
 A男は、無口でおとなしく、両親の離婚をきっかけに小学校4年生から不登校傾向が始まった(家族構成は、父、妹の3人家族)。勉強が苦手だったこともあり、登校しても保健室で過ごし、何もしないで帰ることが多かった。中学校に入学後は、毎日2〜3回保健室に現れるものの、教室で授業を受けるようになった。私(養護教諭)は他の生徒の対応に追われていたこともあり、毎日保健室に来るA男には、心配するほどではないと気に留めなくなっていた。中学校3年生になった5月の連休前、担任(男性)から、最近A男が教室で孤立していてグループ活動に困難なことや、ノートもとらずぼうっとしていることが多く学力が低下していること、腹痛を理由に遅刻や早退が多いこと、担任が理由を聞こうとしても何も話さないので指導に困っていることなどを相談され、保健室での様子を聞かれた。毎日顔を見ており、変わった様子もなく、思い当たることは特になかった。次の日、保健室に来たA男に「時間ある? ちょっと座っていかない?」と話しかけたが、一瞬表情がこわばりそのまま無言で出て行った。心配ではあったが毎日決まったように保健室に立ち寄るA男に必ず声をかけるようにし、ゆっくり話ができるきっかけを探すことにした。A男の近所に住むB男が保健室に来たとき、それとなくA男の様子を聞いたところ、父の帰宅が遅く、家事のほとんどをA男がしていることや、厳しい親だということを教えてくれた。A男は、連休明けの3日続けて学校を欠席したが、4日目に保健室に現れ、自分からソファに座った。
(問)ソファに座ったA男に、養護教諭としてどのような言葉をかけるか。また、今後どのように対応するか。理由も含めて800字以内で述べよ。